ノマド探求

海外移住準備記

英語以外の外国語を勉強しようと思う。

このところ勃然と海外移住の意欲が盛り返してきた。私にとって海外移住は、自分探しや一攫千金を狙ってのことではなく、ただの現実逃避の手段となっている。日常生活が倦んでくると、ここではないどこかを夢見て鬱屈した気分を紛らわすのだ。夢を見るだけでも一時的に陰鬱な日常を忘れさせてくれるが、いつかは夢から醒めてしまう。零か一かの世界で夢から醒めてしまえば、そこは元の現実で、それは現実忘却に耽っていたに過ぎない。そこで、夢を目標に変えることで現実忘却から現実逃避へと手段を移し、夢を長続きさせるのは常套のテクニックとなる。自己欺瞞に過ぎないけど、目標を追い続けている間は夢現の気分を味わえることができる。言わば、その準備をしている限りは半永久的に持続する醒めない夢を見続けることができるのだ。ドライアイスで遺体を埋めるように、実際に準備をすることで夢が叶う可能性を当分は留保することができる。

今の派遣の仕事では夢が見れず、仕事自体にも飽きてきた。次の仕事を探そうと準備を進めているが、なかなか綺麗に辞めれそうもない。しばし嫌な現実から逃避するため、また海外移住の準備に時間を多めに割き始めた。少し前から海外移住の準備として、海外在住者のコミュニティに参加しようと考えていたが、どこにどんなコミュニティが存在するのかすら分からない。仕事を介して知人の知人とかと飲みに行くような緩い繋がりは、表に出てこないのだ。趣味を介してコミュニティに参加しようと算段しても、肝心の趣味がない。海外の求人案件を眺めたり、海外在住者のブログを読むだけでは、物足りない。そこで、Youtubeで移住候補地の現地語を勉強することにした。現実逃避が目的なので、英語の勉強のように苦行になると意味がない。あくまで甘いお香で眠りに落ちるように、Youtubeタイ語の柔らかな響きに酔うのが、ここ最近の時間の潰し方になっている。

予想通り、かつ目的達成、そして期待以下。

先月末に受けたTOEICの結果が返ってきた。スコアはリスニングパートが425点、リーディングパートは410点の合計835点だった。テストを受けた感触で、およその結果は予測できていた。テストを受けた目的は、履歴書に書けるTOEICのスコアを有効期限内に更新するためだ。800点台を維持できたので、ひとまず目的は達成できた。しかし、期待は裏切られた。試試験対策は一ヶ月半弱しか取れず、験対策は万全ではなかったが、英語の勉強をしていなかったわけではない。この一年間はオンライン英会話のレッスンを飲み会がある日を除いて、ほぼ毎日受けていた。英語に触れていた時間は英語学習歴二十年の中でも一番多いと思う。あわよくば860点、900点に届いちゃったら嬉しいかもと、席が好きな人の隣になっただけで結婚まで考えてしまう中学生のような淡い期待があったことは事実だ。そして、厳しい現実を前に初恋に似た期待は、今回も砕け散った。そんなトキメキは、砂場の砂の数と同じくらいに多いことも事実だが。

今回は、途中で諦めずに最後までテストに集中することができた。エロ動画に二時間集中できても、TOEICのテストに二時間集中するのは意外に難しい。これはTOEICを受けたことがある、多くの人に共通する感想だと思う。リスニング問題では、全く聴き取れなかった設問も消去法で正答率が上がるよう、明らかに間違っている選択肢を除く意欲は持続できたし、リーディング問題を何とか全問解き切った時点で800点台が堅いことは予想できた。しかし、リスニングのパート2で聴き取れない設問が三分の一以上あり、リーディング問題を見返す時間がなかったことで、900点は届かないだろうし860点は完全に運任せであることも予想がついた。今回のテスト結果は二年半前に取った最高得点と同じだ。大器晩成型だと自分を信じて今でも勉強しているけど、なかなかブレイクスルーはしない。

趣味をどうするか。

国外在住邦人のコミュニティに参加するため、何か趣味を作ろうと思っている。しかし生まれてこの方、何かに嵌った経験はなく無趣味が趣味となっている。時間があればこれをやる、やらなくてはいけないことがあってもこれをやると言った、何とか中毒や症候群に罹患したことは一度もない。たまにラーメンと唐揚げが無性に食べたくなるぐらいだ。スポーツもゲームもやらないし、ギャンブルも風俗も行かない。若干面白そうだなと思うことがあったとしても、始めるのが億劫で結局は時間の経過と共にどうでもよくなってしまう。

趣味を作るそもそもの目的は、コミュニティに参加する切っ掛けを得るためだ。だから、一人で家に籠もる趣味は避けるべきだろう。しかし、人と一緒にいるだけでも人疲れをしてしまう性格なので、仕事の後はどうしても独りでくつろぎたい。仕事が終わったらすぐに家に帰り、Youtubeで動画を観たり、Amazonで欲しい物を物色したりしている。また最近はBandcampで音楽を聴くことも、家でグダグダするアクティビティの一つになった。Bandcampはインディーズのミュージシャンが楽曲をアップロードし、自分で値段を決めて売ることができるサイトだ。プロデューサーになった気分で、このサイトで新人発掘ごっこを楽しんでいる。いずれにしても、人と接点を持てる時間の使い方ではない。

オンラインゲームのように、仮想空間から現実空間へとコミュニティが広がる可能性があれば、一人で家に籠もる趣味であっても問題はない気はする。実はオンラインゲームは、未経験ではない。十年程前、現実逃避のために二次元移住を目指して、一回だけ遊んだ経験がある。この時はPCを自作した勢いで爆音爆熱グラフィックカードと悪名高いGeForce8800GTも購入し、万全の態勢でモンハンFに参戦したが、三ヶ月で現実に戻ってきてしまった。運動神経が悪いこともありゲームが弩級に下手クソで、遊んでいてもつまらなかったし、チャットで会話を楽しみたかったが、相手にしてくれる人があまりいなかった。オンラインゲームを趣味にするなら、コミュニティが賑わっていてオフ会も頻繁に開かれているようなゲームを選びたい。