ノマド探求

二次元移住準備記

失敗した時の保険。

移住に失敗しても人生は続いていく。無邪気に色々と夢想できた若い頃は,夢から醒めた時のことなど考えなくても済んだ。しかし,四十歳を超えるて致命的な失敗が人生の終焉につながることがあると,老けたら老けたなりの考え方をするようになった。髪の生え際と一緒に色々な可能性が減退した今は,夢から覚めた時を考えて行動をすることが,醒めた後も続く人生を壊さない真っ当な夢の見方になる。

当たり前だが,何かに挑戦して成功するよりも失敗する方が簡単だ。挑戦することは誰にでもできる。例えば東大を受験することやプロ野球選手を目指して野球を始めることは誰にでもできる。しかし,東大に受かることもプロ野球選手になることも,はなはだ難しいのが現実だ。段々と現実が分かるにつれて成功した時のことよりも,失敗した時のことの方が現実味を帯びてくる。成功した時のことをあれこれ夢想すればするほど,失敗した後の不安が増してくる。失敗した後に何をするか考える方が気分が楽なのだ。そして,成功するための準備ではなく,失敗した後の準備に比重をおいて行動するようになる。

将来の失敗が確定しているかのように行動して,それが成功につながることはないだろう。先の野球の例えだと,野球の練習はそこそこに就職活動をしているようなものだ。と言ってはみたものの,失敗した後も人生は続いていくので失敗した時の保険はかけておく必要がある。自分の処遇をどうするか,あらかじめ決めておくということだ。失敗しても後があると思えば,致命傷を負う前に引くことができる。引く時に引けなければ,再起不能な状態まで堕ちるだろう。復活可能な状態を維持するためには,即時に社会復帰できるよう用意をしておくということだ。負け犬根性が染みついている言われれば反論はできない。しかし犬死にするよりはまだいい。負け犬として尻尾を丸めながら生きるにしても,働き口がすぐ見つかれば生きてはいける。