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ノマド探求

海外移住準備記

派遣で生き延びる。

仕事 ノマドワーカー

四十歳を過ぎて,自分の可能性つまりは自分の将来についてある程度,達観ができるようになった。移住に失敗すると,恐らくは派遣社員として働き続けることになる。派遣で生き延びる条件としては,少なくとも三つあると考えている。一つは自身の職能を自力で研鑽できること。二つ目は信頼できるコネクションを作ること。そして,三つ目は派遣で生き抜く覚悟を決めることだ。

派遣は三ヶ月毎に契約の更新が必要なので,正規雇用つまり正社員の働き方とは異なる。業務内容はほぼ同じだとしても,同じ職場で働き続けるには契約更新を乗り切りる必要がある。しかし,契約更新は派遣先の経済事情や社内政治に左右されるので,同じ職場で働き続ける努力をするよりも,同じ業界と職種で働き続ける努力をする方が得策だ。つまりは,どの職場でも通用する能力と信頼できるコネクションを獲得するために努力するべきだ。

職能にも色々あるが,派遣では資格や検定などで限定できる能力が多い。派遣先の採用基準が特定の能力を要求していることも理由だが,どちらかというとその人にお金と時間を投資する必要がないので,人格や素質よりも資格や検定で限定できる能力で,その人の商品価値を計れるということだ。派遣先も派遣会社も投資はしてくれないので,自身で勉強したことを試す場として実務に就く気概がないと職能を伸ばせないし,そもそも試す機会が与えられない。幸いなことは,資格や検定は設問と正解があるので勉強し易いし,意欲さえあれば誰でも勉強する機会を得られることだ。お金も時間も労力も,自分で自分に投資する以外に手立てはない。それが自身の競争力につながる。

また,目的の派遣先で働くには,派遣会社からの紹介が必要になる。派遣会社の担当者は,初めて面談した求職者に対して,いきなり得意客に売り込むことはないだろう。勤務態度が悪かったり,職務経歴書に書いた実務経験ほどには期待した働きができない場合など,その担当者の目利きの能力が疑われることになる。信用に乏しい商品を売って,その商売人の信用が落ちてしまうのと同じ原理がここでも働く。派遣会社の担当者とコネクションを作ることは,商材としての自分の販路を獲得することに言い換えることができる。希望の仕事を得るためには,このコネクションの存在が大きい。

そして悲しいことに,随意契約で続いていた仕事も派遣先の担当者が変われば,他の求職者との苛烈な競争に曝されてしまう。これは自身が持つ競争力,商材としての魅力を常に意識して仕事をする必要がある。派遣先の職場の担当者から指示を受けるので派遣先と雇用を結んでいるように感じるが,実は派遣会社と雇用を結んでいるに過ぎない。派遣で一度働けば分かるが,派遣会社の担当者で代理人として動いてくれる人は少ない。契約が切れた場合は,大概は次の職場を自分で探すことになる。職務経歴書に何を書くか考えながら働くことが,安定した稼ぎにつながると思う。

低いレベルの話だが,四十歳までプラプラと生きていると,明るい家族計画どころの話ではなく,日常生活はコンクリートジャングルを生き抜くサバイバルになる。