ノマド探求

海外移住準備記

派遣で働くこと。

日本ではどんな生き方をしてきても,なんとか食べていけるどころか,文化的な愉悦を享受できるぐらいのお金は稼ぐことができる。三十代後半までフラフラと,まともに働きもせず生きてきたが,まじめに働いてみたら,それなりにお金を稼がせぐことができた。これには東京という大きな生活圏に住んでいることに加え,派遣という雇用形態が大きく寄与している。

確かに派遣社員は経済情勢の影響を受けやすく,失職する可能性が正社員とは比較にならないぐらい高い。しかし,不安定な雇用形態ではあるが,それと同時に流動性も高く雇われ易くもあるのだ。まともな履歴書を作れない人間でも,仕事を選ばなければ働くことができる。過去に何をしていたのか問われることは少ない。実際に派遣先の社員と面接した時も最終学歴まで聞かれたことはないし,五年前までの職歴さえあれば話に詰まることはなかった。派遣社員という要因は長期的な戦略に含まれていないので,その時に望むことを提供してくれればいいからだろう。期待していたことが提供されなければ,三ヶ月の契約期間の後に整理できる安心感が雇用者にはある。だから職務経験がなくても,技術と知識である程度は履歴を補填できる。

派遣先との中間に派遣会社があるので,ピンハネされていると思うといい気持ちではない。これは派遣社員として働く限り,免れない中間搾取になる。業務でやらかした場合は賠償請求は派遣会社にいくので,身元保証人に保証料金を払っていると考えて納得するしかない。嫌なら正社員で働くか,自分で商売を始める自由がこの国にはある。派遣社員で働く魅力は,手っ取り早くそこそこの給料がもらえることだ。そして,嫌なら簡単に職場を変えられる。派遣という雇用形態が存在しなければ,移住のことは考えなかった。移住に失敗した場合,社会に復帰するための足がかりとして利用できることが分かったからだ。