ノマド探求

海外移住準備記

自分の育成戦略を考える。

前々から思っていたことがある。どの検定を受けようかとか何の勉強をしようかとか考えることは、RPGにおけるキャラクターの育成戦略を考えることに似ていないだろうかと。人生をRPGになぞらえたエッセイも出版されているぐらいなので、似ていると思った人は多いはずだ。

キャラクターの育成戦略を考えるように自身の市場価値を客観的に評価することは、検定と資格が豊富に用意されている業界では特にやり易いと思う。例えばIT業界だと、今後はインフラを構築する仕事に進みたいからLPICレベル2かCCNPを取ろうとか、しばらく職場を変えるるつもりはないので応用情報技術者試験を受けて基礎的な知識を固めようとか、目標を定め易い。また、開発の求人でも応募条件として特定のプログラム言語が指定されており、その仕事に就くために何を勉強すれば良いのか分かり易い。IT以外でも、その業界特有の資格と検定がある。例えば金融業界でITの職に就きたければ証券外務員や日商簿記を取るのも有益だし、外資系企業で働きたければTOEICを受けるなど、自身のキャリアを形成する上で次に何をすれば良いのか、資格と検定が目処になる。RPGに例えると、ある怪物を倒すために強力な魔法を習得しようとか、次の街に移るために経験値を稼いで体力を上げておこうとか、そんな感じになるのかな。

育成戦略を練らずに闇雲に検定と資格を取ったり新しい技術を勉強したりしても、次のキャリアにつながり難いのはゲームと同じだ。特殊な状況下では効果のあるスキルも、違う状況ではただの飾りにしかならいことも多い。また、職種ごとに育成戦略を考えていく必要がある。レベル50の戦士がいきなり魔法使いになろうとしても、それまでの経験と習得した技術を魔法使いのレベルに移行はできない。魔法使いとしてはレベル1から始めることになる。魔法を少し使える戦士になりたいとか、自分で身を守れる魔法使いになりたいとか、付加価値程度であれば同時に追うことはできる。しかし、強力な武器を使うために戦士のレベルと、強力な魔法を使うために魔法使いのレベルを併行して上げることは、現実にはとても難しい。まれに同時に追える人もいるけど、たいていは時々屁のような魔法を吹き出しながら、ただ棍棒をぶん回すだけの、中途半端なキャラクターができる上がるだけだ。自身で冒険を進められる勇者であったり、小さいベンチャーであれば器用貧乏の勘違い忍者でも何とかなるだろう。しかし、創立50周年を迎えるような大きなパーティの一員として働くためには、計算できるキャラクターになる必要がある。私は戦士です魔法使いですプログラマーですと、職業人として言い切れるキャラクターを確立したい。何ができるの分からないし、組織の中でどのような役割を担えるのかが判断しづらいキャラクターは、仲間に誘われにくい。

次は履歴書に何の経歴を書こうかと考えながら仕事を探すことは、育成戦略としても有効だろう。できる限り今までの職歴と保有する資格や検定に経験を上乗せできるような仕事に就くのが妥当だ。人生一回きりなのでせこせこと育成戦略など考えずに自身で冒険の旅にも出てみたいが、どうやら今回は機を逸してしまったようだ。この先しばらくは派遣社員かアルバイトをしながら冒険の準備に時間を費やすことになる。冒険の準備をしながら夢を見続け、それで終わってしまう一生もあるとは思うけど。何人もの勇者を見送りながら、街の片隅で同じ台詞を言い続ける街のモブキャラの気持ちが何となく分かる。