ノマド探求

二次元移住準備記

自分の英語を聴き返す。

二週間前ぐらい前からオンライン英会話を始めた。毎回Skypeの会話を録音ソフトで録音し、それを聴き返して復習をしている。復習する目的は三つある。まず聴き取れなかった講師の英語を聴き取れるまで聴くことでリスニングの能力を鍛えること。それから自分の発音を確認して発音を直すこと。そして、咄嗟に言葉に出なかった単語と表現を調べ、発信の瞬発力を鍛えることだ。

この録音した自分の英語を聴き返す作業が死ぬほどつらい。レッスン中に話した自分の英語は死にたくなるほどのインパクトがある。インディアンコントを彷彿とさせる拙いカタカナ英語だったら、まだ我慢できる。しかし、悲しいことにあのレインマンだ。私はwellとかI seeとか言っているつもりなのだが、最初に聞こえてくるのはアアアとかンーッとか奇声とも呼気とも分からない音声だ。それから、しばらく不気味な沈黙が続いた後、良い言い方をすれば感情が先走って適切な言葉が出てこない、ピュアな英語を唐突に話し始める。ヒゲを剃ってる途中で、鏡に映る生気の失せたおっさんの顔に意識が向き、そのまま喉を掻き切りたくなる衝動の百倍ぐらい強い衝動に毎晩耐えなくてはいけないのだ。

この作業は脳にも影響を与えるようで、時間の感覚がおかしくなってくる。TOEIC S&Wテストを勉強していた時も参考書の問題に対する解答を録音していた。この時は気を失いかけたが、今回は意識を失いタイムスリップしたかのように、時間の感覚に違和感が生じるのだ。時をかける少女ぐらいに甘美なミステリアスならまだ良いが、12モンキーズに近い。恐らく脳みその時間の感覚を制御する部位が、自分の英語を聴くことで損傷を受けるか書き換えられてしまうのではないだろうか。そのため、自分の英語を聴く作業は三分が限度だ。それ以上聴くと何か未知の領域に足を踏み入れてしまうか、サイキックパワーが備わりそうで怖い。そのぐらい脳みそに負担がかかるので、毎日クタクタになっている。

ちなみにSkypeの会話を録音するソフトはcallnoteというVoIPを録音する専用ソフトを使っている。最初はaudacityというソフトを使っていた。しかし、自分の音声は明瞭に拾えるのが、どうしても講師の話す音声が上手く拾えず小さくなってしまうのだ。ミキサーソフトを入れて調整すれば上手く拾えるらしいのだが、面倒臭いので専用のcallnoteに切り替えた。callnoteは月に10回までの録音が無料でき、年に9.95ドル払えば月に30回まで、39.95ドル払うと無制限で録音できる。私は9.95ドル払って月に30回まで録音できるライセンスを買った。可能な限り毎日レッスンは受けるつもりだし、実際にレッスンを始めてから二週間経つが、レッスンを休んだのは一日だけだ。この調子でレッスンを続けていく予定だが、もしかしたら自我が崩壊し精神病院行きになる可能性もある。