ノマド探求

海外移住準備記

キレることができる強い人。

システム監視の仕事をしていて、嫌というか面倒臭い作業の一つにエスカレーションがある。エスカレーションは、監視の仕事では運用や構築を担当している上位部署に連絡をする行為を指し、主に指定された警報が上がった時や作業に行き詰まった時などにする。職場や状況によってエスカレーションをする条件は違うし、またエスカレーションをして作業終了の場合もあれば、その後に上位部署の指示で何らかの作業が発生する場合もある。いずれにせよ、監視チームだけではどうにもならない状況は変わりなく、上位部署に助けを請うことと考えてもらって間違いはない。これの何が面倒臭いかというと、もの凄い不愉快な思いをすることが度々あるのだ。

システムは365日24時間、正常に稼働していることが当たり前で、機械も人間もそれに合わせて動いている。エスカレーションを受ける担当者が機嫌の良い時もあれば悪い時もあるのは、同じ人間なので理解できる。しかし中には、格下の人間が厄介事を持ってきたかのような対応をする担当者もいる。確かに派遣社員が派遣先の社員にエスカレーションをする場合は格下に違いはないが、役割の違いはあれど上下関係はないと思っている。普段から上位部署の指示を仰ぐので、自然と上下関係に近い関係になってしまうから勘違いが起こるのだろう。エスカレーションをする手順を作ったのも、そもそもそステムを作ったのも彼らなので、八つ当りは同じ上位部署の同僚にするのが至当だ。以前の職場では、なぜか電話口でこちらが悪いかのように不満をぶつけられ、とりあえず謝ったのはいいが仕事が終わった後も悶々としていることが良くあった。

今の職場でも上下関係に近い関係になっているが、エスカレーションをしても不当な扱いを受けることはほとんどない。立派な人格者がそろってる職場だと思いきや、長老格の同僚によれば、以前は不当な扱いを受けることが多々あったそうだ。しかし、数人の派遣社員がその不当な扱いにキレまくったおかげで、上位部署の対応が変わったということだった。争いを避け物腰を低くして働いていれば不当な扱いは受けないだろうと考えるのは、資本主義のゲームに参加したことのない人の妄想に過ぎない。不当な扱いを受けた時は敢然とキレる必要がある。戦わなくてはならない時は、確実にある。ただ、キレた後は日頃の当たりも厳しくなるので、それ相応に強い人でない限り、後のことを考えると我慢してしまう。

この強い人は最初から強い人ではなく、その時に強くなれる人が結果的に強い人なのだと思う。喧嘩をして職場を辞めても、すぐに次の職場が見つかる仕事のできる人は、いつでも強くなれる。市場価値の高い職能を持ち、辞めても何とかなるという自信があるからこそ、その時の筋を通すことができる。それに、いつ辞めてもいいという度胸と辞めさせられてもいいという覚悟も備わっている。だから言わなくてはいけないことを躊躇せずに言うことができるのだ。私がこの強い人になれるかは、その時にならないと分からない。普段からカッカしてるのは頭が悪い奴だが、不当な扱いを受けた時はきちんとキレる強い人になりたい。一度逃げてしまえば、逃げた自分を肯定するために、その後も言い訳をしながら逃げ続ける逃げ癖がつく。積み重なった過去の自分を否定するには、それこそ本当の強さがいる。流すべき時に流さなかった血を後から流すことはできない。そして、その血の代償は取り返しがつかないほど大きいのだ。