ノマド探求

二次元移住準備記

恐らくロクな死に方はしない。

予感はないけど、ロクな死に方はしないと思っている。堅実な人生設計などせずに場当たり的に生きてきた人生なので、当然と言えば当然だ。親のせいとか、これが何かの報いだとかは思っていない。他人や社会を一切考慮せずに自分第一に生きてきた、当然の帰結となる。

死ぬ覚悟はまだできていないが、そろそろ終焉を考え始めなくてはいけない歳になりつつある。今までのことを振り返っても、何をやってきたのか良く思い出せない。思い出が積み重なって自分という物語が深みを増していくのであれば、今のところペラペラの同人誌のように何の起伏もない人生なのだ。まともに遊びも働きもせずに三十代後半まで生きてきた。ただのフリーターだけど、ニートの亜種とも言える。それなりに真剣に人生に向き合い真面目に生きてきたつもりだったが、まだ何も達成できていないのは、いつも準備で終わり何もしなかったからだ。

少し前から思っていたことがある。熱心な新興宗教の信者が、ふと我に返った時はこんな感じなのではないかということだ。まさにパラダイムシフトと言える価値観の転換が起きて、今までの修行など何の意味も持たなくなり、はて何をすればいいのだろうかと呆然とする。それと同時に自分を縛っていたしがらみからも解放されて、しばし現世のこの世の春を満喫する。それから社会に適応できたことに安堵し、周りを見る余裕ができた瞬間、自分が何も持っていないことを自覚し、愕然としながら禿頭を撫で回す、そんな感じだ。

自分の生き方に後悔はしていない。ただ、何となくもっと上手くやれたのかなという反省はある。そして、その反省を活かす機会がこの先訪れるのだろうかと考えると、ちょっぴり寂しくなる。