ノマド探求

二次元移住準備記

英語以外の外国語を勉強しようと思う。

このところ勃然と海外移住への意欲が盛り返してきた。私にとって海外移住は、自分探しや一攫千金の機会を狙ってではなく、現実逃避の手段となっている。

日常生活が倦んできた時、ここではないどこかを夢想して鬱屈した気分を紛らわせるのは、私に限ったことではない。何も海外移住だけではなく、転職や起業、それから自殺と、思いつくだけでも様々な現実逃避の手段はある。夢は陰鬱な日常をひと時の間忘れさせてくれるが、いつかは醒めてしまう。零か一かの世界では夢から醒めれば、そこは元の現実だ。ただ現実を忘れていただけであって、ここではないどこかにいるわけではない。そこで夢を目標に変えて忘却から逃避へと手段を移し、夢の延命を試みる。資格や検定の勉強は割合良くある現実逃避の手段だ。仕事が終わった後に喫茶店で勉強している人の半数は、意識するにせよ無意識のうちにせよ、差し迫って勉強をする必要のない人たちであることは、参考書やパソコンを前にスマホをイジり続けていることからも分かる。そもそも資格や検定取得の期限を切られている人は、喫茶店では勉強をしないだろう。また、何かをする準備にたいそうな時間をかけて現状肯定を図ることも、ニートや引きこもりの現実逃避の常套テクニックだ。その準備をしている限り、半永久的に醒めない白昼夢を見続けることができる。ドライアイスに遺体を埋めるように、準備に没頭することで夢が叶う可能性を当分は留保することができるのだ。

今の派遣の仕事では夢が見れず、仕事自体にも飽きてきた。次の仕事を探そうと準備を進めているが、なかなか綺麗に辞めれそうもない。しばし嫌な現実から逃避するため、海外移住の準備に時間を多めに割き始めた。少し前から海外移住の準備として、海外在住者のコミュニティに参加しようと考えているが、どこにどんなコミュニティが存在するのかすら分からない。仕事を介して知人の知人とかと飲みに行くような緩い繋がりは、表に出てこないものだ。趣味を介してコミュニティに参加しようと算段するも、肝心の趣味がない。海外の求人案件を眺めたり、海外在住者のブログを読むだけでは、物足りない。そこで、Youtubeで移住候補地の現地語を勉強することにした。現実逃避が目的なので、英語の勉強のように苦行になると意味がない。あくまで甘いお香で眠りに落ちるように、Youtubeタイ語の柔らかな響きに酔うのが、ここ最近の時間の潰し方になっている。