ノマド探求

二次元移住準備記

そのうち英語は教養の一つになる。

日本では今のところ、英語は職場で評価される技能の一つに数えられる。どこか釈然としない気持ちを抱きながら、毎年かなりの人がTOEICを受けている。実務経験がなくとも留学経験者や帰国子女は、英語を話せると言うだけで、それなりに期待値が上がってしまう。ただ近い将来、英語は教養の一つに過ぎなくなると思っている。

今の職場では、英語を使う機会が多い。派遣先の会社には海外にも拠点があり、インド人の同僚や現地データセンターの作業員と英語で意思の疎通を図る。職場には英語の読み書きができる同僚はそこそこいるが、英会話となるとほとんどの人が躊躇する。末端の派遣社員ですら、英会話がちょっとできるだけで、それなりの評価がもらえる。発展途上国では、英語ができなければ給料の良い職に就くことも、そもそも必要な技術の習得すら難しい。だから現時点で英語の勉強、特に英会話の勉強は、市場価値を高めることに貢献している。

しかし、自動翻訳の精度は目覚ましく向上しており、特にGoogle翻訳の精度は凄まじい。TOEICに出てくるような文章であれば、どこかぎこちなくとも意味が通じるぐらいまでの日本語には翻訳してくれる。もちろん小説のように行間に何かを含ませる文章だと、まだまだ自動翻訳では無理だが、そもそも情緒の翻訳はその範疇ではない。そのうち電話の会話などは英語の字幕が付くだろうし、同時通訳が可能になる日は近い。侍が生きていた時代は、武術が自分の市場価値を高めるために有意義だった。しかし、現代の日本では空手や剣道は趣味やお稽古ごと一つに過ぎない。恐らく英語もそうなる。その時、英語の勉強に費やしていた時間で、サラリーマンは何を勉強するのだろうか。