ノマド探求

二次元移住準備記

再来月、台湾に行く。

四月の中旬に三連休を取って台湾に行くことにした。ANAカードのマイルが今年の夏にがっつりと有効期限を迎える。その前にマイルと引き換えに特典航空券を確保しようと思ったのだ。しかし、微妙なマイルしか貯まっていないため、特典航空券で行ける所は、台湾と香港、それに沖縄ぐらいだった。

当初は当然ANAで台湾に行くことを考えていた。帰りの特典航空券は空席待ちからすぐに確保できたが、行きの特典航空券は一ヶ月以上経っても空席待ちのまま確保できなかった。そこで、ANAと提起しているエバー航空の航空券を特典として引き換え、行きはエバー航空、帰りはANAで台湾に行こうと考えた。しかし、休暇の初日に出発する場合、エバー航空は午後八時発の一便しかなく、台湾到着が十一時と実質一泊二日になってしまう。休暇の前日は夜勤明けのため、午後八時発の飛行機でも十分に間に合う。午後十一時に台湾に到着した後、空港で朝まで仮眠を取ればいいかと考えたが、エバー航空の飛行機が飛んでいなかった。

今月中旬辺りから、このまま特典航空券の空席を待っていたら正規航空券すら確保できなくなると焦り、他の行き先も探し始めた。この時点で有効期限が切れるマイルの処理は、どうでも良くなっていた。今年は正月休みすら取れずに帰省している同僚の分も働いていたので、何としてでも旅行に行きたいのだ。沖縄は日本語が通じるし、国内旅行は歳を取ってから行けばいい。そこで、二度と訪れることはないと思っていた、香港行きの特典航空券を確保しようと思った。しかし、なんと今度は帰りの特典航空券が確保できない。仕方がなく、夏に有効期限が切れるマイルはANAコインに換金することにして、LCCで台湾に行こうと考えた。

スカイスキャナーという航空券を検索できるWebサイトがあって、ここで台湾の往復券を検索したところ、タイガーエアで羽田空港を午前五時発、帰りはバニラエアで台湾を午後四時発という理想的な航空券の組み合わせを見つけた。なぜ、羽田の早朝発が理想的かというと、成田空港と違って羽田空港は夜中も遊べる所があるのだ。以前、タイに行く時に一回だけ羽田空港を使っただけだが、早朝発の便を待つ間に空港を探索して時間を潰せたので、今回もその手を使おうと思った。

出発便を待つ間に空港で過ごす時間はとても楽しい。私の場合は、旅行の楽しさの半分は空港に滞在する時間が占めるといっても言い過ぎではない。特に羽田空港からタイに行った際は、三日前に派遣の仕事を辞めて何も決まっていない状態だったので解放感で脳汁が出まくっていた。その時は、現地で美少女と恋に落ち、タイで幸せに暮らす予感で胸がいっぱいだった。実際は色恋沙汰など何もなく、またしがない派遣社員として日本で働き始めることになるのだが、その時は確信に近いトキメキでゲロしそうなぐらいだった。そんなこともあり、空港で過ごす時間は私にとって実に貴重なものなのだ。

では、タイガーエアの羽田発の便で台湾に行くのかというと、航空券を購入する途中でANAのマイルでバニラエアの特典航空券を確保できることが分かり、行きも帰りも成田空港からバニラエアで台湾に行くことになった。あの、旅情を胸に溜めることを微塵も許さない、味気のない倉庫のような第三ターミナルから出発する。