ノマド探求

二次元移住準備記

どこまでいっても。

一時、海外移住への意欲が減退していたが、最近になって、また準備を始めた。海外に移住する動機は少し変わった。以前は現実逃避の手段として移住を考えていた。今は純然たる異文化への憧れと、刺激と浪漫を求めて移住を考えている。理想の地なんて存在しないことは、分かっている。移住先での生活と日本での生活は地続きだ。理想を追ってどこまで行こうとも、辿り着いた先がただの現実であることは変わらない。全て放り捨ててタイに行こうが、インドに行こうが、何かが変わることはあっても人生をやり直すことはできないだろう。

ちょっと前まで、そこに行けば今の現実が報われる場所があると、夢を見ていた。夢を見たかったので、そんな場所はないという現実を考えないようにしていた。実際に夢を見なければ救われない現実がそこにあった。まともな職もなければ、金もない。守るべき家族もいないし、現実を忘れさせてくれる良い思い出もない。何もない自分がそこにいつもあったのだ。だから、そんな現実をひっくり返せる理想の地を夢見て、なんとか自分を慰めていた。

どこまでいっても現実だということは、薄々と気付いてはいた。しかし、それを明確に意識したのは、つい最近のことだ。何が切っ掛けとなって目が醒めたのかは覚えていない。今はこの日本での生活の延長で海外移住を目指すことが、理想的な現実逃避の方法だと思っている。