ノマド探求

二次元移住準備記

包囲下にて。

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包囲下にて。Under siegeを訳すと、そんな感じになる。沈黙の戦艦という映画の原題だが、今週辺りからジワジワと始まる自粛生活にピッタリの言葉だ。この状況をいかに快適に過ごすかが課題となった。去年の春に職場がリモートワーク環境に移行した時、時を同じくして近所の料理屋も続々と店を閉めてしまった。そこで、籠城生活で飢えないように冷蔵庫と電子レンジを購入した。冷凍食品は種類が豊富で飽きず、味もそこまで悪くない。むしろ今川焼きは、店で売っている今川焼きよりもニチレイの冷凍今川焼きの方が美味い。料理は元々しないというか、できない。一人暮らしを始めた当初は、色々と料理に挑戦し、試行錯誤を繰り返した。そして念願だったカレー作りに挑戦し、表面に浮いた油の色がドブ川を想起させ、味はまさしくドブ川だった時、料理には向いていないと悟った。それ以来、外食を中心に食生活を送っていた。それが、ここに来てコーヒーミルを買ってコーヒー豆を挽いたり、納豆にごま油を垂らしたりしているうちに、また料理に興味が湧き始めた。本格的に料理をする気はない。今のところはネギを細かく刻んだり、大根をすり下ろしたりするチュートリアルレベルだ。何か一手間加えるだけで格段に食事が美味しくなるなら、その手間は面倒には感じない。気分転換や暇潰しにもなる。

美味しい食事を取らないと、終わりの見えない自粛生活で精神的に参ってしまいそうだ。寝付きが悪い時は、しばしゾンビが溢れた世界に独り生き残り、終末を迎えるまで生き抜く生活を妄想する。自粛を強要される今、それが良いイメージトレーニングとなっていた。籠城する場所は、慣例に従いショッピングモールがベストだ。源泉掛け流しで豊富な湯量を持つスーパー銭湯も、メンテナンスは大変そうだが乙なチョイスだと思う。だが、やはり風呂より飯だ。私の場合は、ゾンビと戦わずにひたすら逃げ回る戦術で生き延びようと考えている。蛮勇を振るい命を落とした例は、枚挙に暇がない。映画に良くある、銃でゾンビの頭を撃ち抜いて倒す方法は論外だ。日本は銃火器の規制が厳しく容易に銃が手に入らない環境だ。銃に慣れる射撃の訓練も受けられないし、撃った経験がある人はごく僅かだ。それに首尾良く手に入れた銃を使うぐらいであれば、鈍器や手斧で頭をかち割る方法が手っ取り早い。ただ一匹や二匹ならまだしも、群がるゾンビ相手に頭をかち割っていたら腱鞘炎になってしまう。なので、ひたすら逃げ回るし、逃げる必要がなければショッピングモールに引き籠もって寿命を全うするつもりだ。

コストコかイトーヨーカ堂にでも籠城し、保存食で食いつなげば十年ぐらいはサバイバルできるだろう。その時は屋上で家庭菜園を始め、ニンニクやネギなどの薬味を育てたい。雑草駆除のためにカモを飼い、鶏を育て卵も採る。缶詰に一手間加えて美味しいつまみを作る発想は、今の生活で役に立った。また料理だけではなく、他にも籠城生活を楽しむ工夫が必要だ。妄想の中では観賞用に美少女ゾンビを監禁し、おっさんゾンビを飼い慣らして芸を仕込んでいた。現実では美少女を監禁するわけにもいかないし、狭い部屋の中で愛嬌だけで何も芸がないおっさんと共同生活を送りたくはない。読書をするにせよ、Youtubeを観賞するにせよ、やはりソファは欲しい。いつか郊外の豪奢なマンションか温泉地のリゾートマンションに引っ越した時にYogiboを買おうと思っていた。今がその機会なのだろうか。購入を躊躇している理由は、お金の問題ではなくもっぱらスペースの問題だ。