ノマド探求

二次元移住準備記

検定を受ける意味。

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来月の中旬に応用情報技術者試験を受ける。二度目の挑戦だ。試験勉強に集中するため、今週末は横浜市内のホテルに滞在している。欲望が満たされるまでは我慢ができない困った性分で、アーモンドチョコにしろ柿ピーにしろ、あればあるだけ食べてしまう。試験勉強をしたご褒美に飲もうと買ったビールも勉強をする前に飲んでしまい、先週末は飲んだくれてAPEXをしていたら終わってしまった。APEXはまだ操作に慣れず、何もできないまま殺され続けてストレスは溜まるが、試験勉強よりは楽しめる。その反省から今週末は欲望の源を全て家に置き、let's noteと過去問題集だけを持ってホテルに来た。

同僚と検定の話になると、大抵は今熱い検定はどれかという話題に行き着く。奨励金が出る会社に勤めていれば、自ずと受験する対象は絞られる。登録型派遣で働いている場合は、次に移る職場を考えて受ける検定が選ばれるだろう。IT業界でインフラ関連の仕事に就くのであれば、最初に受ける検定はほぼCCNALPICレベル1に絞られる。基本情報技術者試験などの情報処理試験は持っているに超したことはないが、未経験者は先の二つの検定を優先したい。これには理由がある。未経験者は当然即戦力を期待されない。コマンドを知っていても、どういう状況でそのコマンドが必要になるかを知らない限り、ただの知識に過ぎない。そもそも職場でコマンドを自由に打てる環境など、習熟用に用意された環境以外にはないだろう。では、なぜほぼ修行にも近いコマンドを覚える勉強が評価されるかと言えば、試験勉強に時間と金を投資した分、その投資を回収しないまではIT業界からは離れないだろうという、やや屈折した雇用側の算段があるからだ。

私は派遣社員を雇う側に立った経験が、一度だけある。IT業界に入る景気となった最初の職場は、監視業務を請け負っていた会社の契約社員として雇われた。人の入れ替わりが激しい職場で一年も経つと長老となり、時給はそのままリーダー格に昇格して、派遣社員との面接に数回ほど参加した。採用条件は日本語が話せればOKの社会福祉を兼ねたような職場だったが、この経験は雇う側の心理を理解する助けとなった。雇う側が一番欲しい人間は、可能な限り長く勤めてくれる人間だ。仕事を覚えるまで個人差はあるとしても、それまでは戦力にはならず、時間の投資に近い。OJTの間に思っていた職場と違うと言い出し辞められるのが、精神的に一番応える。まだ期待外れの人間であっても、働き続けてくれる人の方が嬉しい。現実的に理想の給料はあっても、理想の職場なんてどこにもない。それを受け容れられない流浪の民に無駄な時間を投資してしまった悔しさは、なけなしのボーナスを全額クソ株につぎ込んだ、安月給の夢見るサラリーマンに近いものがある。

確かに素養や意欲はあった方が良いが、強すぎると踏み台にしてさらに高度で良い条件の職場にすぐに移ってしまう。それでも次の職場での評価を考えれば、最短でも一年ぐらいは働き続けてくれるかなぐらいは計算はできる。そうそう派遣社員に過度な期待をする職場は少ない。所詮は社会からあぶれた訳ありの社会不適応者ぐらいにしか思われていない、と思っていても間違いはない。露骨に表には出さないが、今まで勤めた職場は全てそんな感じだった。自分でもろくでもない人間だと自覚しているが、他人からそう思われて何も感じないわけではない。ただ、派遣先の会社に人間不信に陥るようなトラウマを植え付けるひどい辞め方をした人がどの職場にもいたので、そういう見方も理解はできる。