ノマド探求

二次元移住準備記

改善の余地はある。

そろそろ次の職場を探す準備を始める。派遣先の職場が新体制に変わり、派遣社員を減らすそうだ。謹厳実直に働いた末に派遣切りの憂き目に泣く顛末は癪なので、切られる前に自分から去るつもりだ。職探しの準備は、職務経歴書のアップデートから始める。大抵の派遣会社は、登録する際に求職者が入力した情報をそのまま流用して、職務経歴書を派遣先の面談を受ける際に提出する。名の知れない小さい派遣会社から誰でも知っている大きな派遣会社まで、多数の派遣会社に登録したが、どこも同じだった。面談に同行する派遣会社の営業が職務経歴書を直してくれた試しはない。

年収ウン千万円のハイスペックな求人ならともかく、数十円単位で時給を値踏みされる派遣社員の求人で、手厚い支援を期待してはいない。それでも、もう少し求職者が採用されやすいように職務経歴書を整える、面談で話す内容を事前に打ち合わせして、一度ぐらいはリハーサルをするなど、そういう類いの努力ができないものかと面談を受ける度に思う。同じ派遣先の面談に何度も同行していれば、派遣先の採用基準や押さえるべきポイントは嫌でも把握できるだろう。何十人、何百人の職務経歴書を読んでいれば、よほどアレな人でない限りは、言葉で説明できなくても、その人のセールスポイント、派遣先に推す点は何となく分かると思う。これは不満というよりも、担当する求職者が採用されれば自身の評価にもつながるのに、なぜそれをしないか、それができないのかが不思議なのだ。それとも直感でこいつは行けるな、こいつは駄目だなと判断できるので、無駄な労力は使わないようにしているのだろうか。派遣会社の営業が派遣先の担当者とツーカーの仲で、求職者を連れて行けば必ず採用されるぐらいの信用があれば、また別の話でもあるが。

派遣会社がやらないのであれば、求職者自身でやるしかない。派遣の求人は社員の採用と違い、派遣先はそんなに時間を割かない。年齢と性別以外は、ほぼ第一印象で採用が決まると思っている。なので最初が最後の勝負となる。個人的な経験則から、自分自身が商材となり、それを派遣先に売り込みに行く状況を想像して、戦略を立てている。マーケティングの知識などなくても、見せ方、売り込み方を工夫するだけで、採用される確率は改善される。職務経歴書に書く内容は何度も書き直す度に洗練されるし、面接を受ければ受けるほど面接慣れもする。相手の反応を観察して、それを次に活かすのだ。飲み会と同じで、面談で自分語りをしないように注意が必要だ。商品の開発ストーリーや開発者が実現したかった夢を話しても、スティーブ・ジョブズでない限り、誰も商品を買ってくれない。少しでも求職者に興味を持った派遣先の担当者が知りたい情報は、端的に求職者が職場でどういう役に立つかだ。この辺は本来であればセールスマンたる派遣会社の営業が担う役割だが、自分で自分を売り込むしかない。野心を胸にガレージに籠もっていた、若い頃のジョブスのように。