ノマド探求

海外移住準備記

英語を使う。

TOEICの点数さえ上がれば、英語が使えるようになると考えていた時期があった。この思い込みは、英語ができない人達が巻き込まれる狂騒に俺も巻き込まれた結果だ。

英語を使う仕事に就こうと10年ぐらい前から派遣の求人広告を見ている。仕事内容として英語の電話取り次ぎが含まれると、だいたいTOEIC600点から650点の範囲が応募条件となっていることが多い。TOEIC700点だとだいたい英語での簡単な交渉が仕事内容になる。それだけで、その点数を取れば自然に点数相応のことができると勝手に考えていた。600点を超えたから電話の取次ぎができて、たぶん700点を超えたから電話での交渉ができるようになるだろうな、と。しかし、TOEICの点数が上がっても英語を使えるようにはならなかった。そのことに気付いたのはTOEICの勉強を本格的に始めてから五年ぐらい経ち、700点を超えた時だ。五年も気付かなかったのは、実際に使う機会がなかったからと、700点を超えるまでは使えなくても当たり前と思い込んでいたからだ。

ただの思い込みにすぎないと痛感する契機は、四年ぐらい前に派遣で働いたメールサポートの仕事だ。その時は750点まで点数が上がり、当然問題なく業務をこなせると考えていた。しかし、実際に仕事を始めてみるとケチョンケチョンで二ヶ月で契約終了となってしまった。そもそも、なんで採用されたかといえば、採用した人も英語ができずTOEICがどういうテストかを理解していなかったからだ。これがTOEICの狂騒に巻き込まれた顛末だ。

英語の実践を通して分かったのは、伝えたい言い回しが出てこないこと。簡単な英単語や構文でさえ咄嗟に頭に浮かばない。メールサポートの仕事の時は、あーだこーだと長いこと思案した挙句、辞書の例文や構文集のつぎはぎで回答を作っていたが、これはTOEICの点数が何点になろうと変わらないだろう。日本語でさえ何か伝えるために言い回しを考えないとうまく伝わらないのに、TOEICの点数が取れるだけで英語の言い回しを工夫できる能力が身につくことはない。それを考えながら勉強していないのだから。ただ、高い点数を取れる人の方が少し調べただけで、伝えたい言い回しをすぐに作れるようにはなるとは思う。

TOEICの勉強は無駄ではないが、英語の勉強の一部分でしかない。TOEICはあまり偶然に影響されずに勉強の結果を確認できる良いテストだ。しかし、それだけでは英語を使えるようにはならない。TOEICの勉強を頑張っている人が、英語を使える能力を養う簡単な方法は問題文を丸暗記するのがいいと思う。