ノマド探求

二次元移住準備記

ビジネス英語への解答。

ビジネス英語は何かについて、自分なりに解答を出したい。ビジネス英語が仕事で使う英語を指していることは分かる。しかし、具体的に何ができれば良いのか、そのためにはどうやって勉強すれば良いのか、曖昧なままに英語の勉強を続けてきた。TOEIC S&Wテストを来月受けるのを機に、ビジネス英語の勉強方法をまとめてみることにした。

まず、今回のテストではスピーキングを中心に対策をおこなう。何もない状態でテスト勉強をするのは厳しい。そこでテストは下記の参考書を使って勉強を進めていく。

  • TOEICテスト スピーキング/ライティング総合対策(浅場真紀子 旺文社)

仕事で使う英語は仕事の内容によって変わるので、テスト対策と違い、ビジネス英語はこれを勉強しておけば大丈夫という標準化が難しい。ビジネス英語について書かれた参考書を読むと分かるが、載っている文例をそのまま仕事で使えることはまずない。電話応対について考えてみれば、名前を聞いたり他の人に電話を引き継いだりする会話は同じだが、電話で話す内容は人や状況によってそれぞれ異なり、文例を全て列挙することはできない。勉強方法を一般化できても、同じ業界かもしくは同じ会社で働いていない限り、内容を一般化することは難しいのだ。

勉強の手始めに、想定できる範囲内で自分の文例集を作ることにした。まだ仕事が決まっていないし、たぶん仕事が決まっても就業は四月からになると思うので、無職のためのビジネス英会話集を作る。無職の英語と言えば、私の場合は無職期間に長期旅行に行ってしまうことが多いので旅行で使う英語になる。しかし旅行で使う英語をビジネスに生かせるのは商社マンとかメーカーの営業とか私には縁のない職種ばかりだ。そもそも旅行で必要なのは英語よりも肉体言語の方なので、旅行で使う英会話はひとまず保留にする。ちなみに、今回の無職期間は旅行に行きそびれてしまいそうだ。

そこで無難に面接で使う英会話集を作る。とりあえずAmazonで評価が高かった下記の参考書を潰して自分の文例集を作った。

  • 英語の面接 直前5時間の技術(花田七星 アルク)

面接では自分のことについて回答するので、参考書に載っている文例を丸暗記しても大して役に立たない。自分のための文例集を作る必要がある。上記の本を参考に、段階を追って文例の作成と面接の準備が一通りできる。しかし、取っかかりを得るには良い本かもしれないが、参考となる文例が少ないため、広がりの薄い文例集しかできなかった。より幅を広げるには、もう一冊か二冊潰す必要はある。

余談になるが英語の勉強をする際は、酔拳とか蛇拳とかの拳法シリーズのジャッキー・チェンを意識している。例えば酔拳だと、ジャッキーは拳法の達人蘇化子から酔拳という必殺の拳法を教わる。この拳法の型が参考書に当たり、覚えた拳法が自分で作った文例集となる。しかし、酔拳は雑魚敵には通用してもラスボスの鉄心には通用しない。そこでジャッキーは土壇場で自身の経験からオリジナル拳法を編み出して対抗するのだが、これ、この土壇場でオリジナル拳法を自分で作れるかどうかが、実力なんだと思う。酔拳は八人の仙人を模して八つの型に分類されている。そこに土壇場で自分が九人目に加わるのだ。そして、それは今の自分ではない。仇敵から受けた屈辱や苦しい修行を耐え抜いた昔の自分が、仙人としてオリジナル拳法の型となり今の自分を助けてくれる。苦難や努力はそれを経験として昇華させた時に実力となることが、酔拳から分かる。このオリジナル拳法がジャッキーの拳法への解答なのだと勝手に解釈する。私も英語を使う現場で今まで勉強してきたことが役に立たなかった時、始めてビジネス英語への解答が出せるのだと思う。

 

自分の育成戦略を考える。

前々から思っていたことがある。どの検定を受けようかとか何の勉強をしようかとか考えることは、RPGにおけるキャラクターの育成戦略を考えることに似ていないだろうかと。人生をRPGになぞらえたエッセイも出版されているぐらいなので、似ていると思った人は多いはずだ。

キャラクターの育成戦略を考えるように自身の市場価値を客観的に評価することは、検定と資格が豊富に用意されている業界では特にやり易いと思う。例えばIT業界だと、今後はインフラを構築する仕事に進みたいからLPICレベル2かCCNPを取ろうとか、しばらく職場を変えるるつもりはないので応用情報技術者試験を受けて基礎的な知識を固めようとか、目標を定め易い。また、開発の求人でも応募条件として特定のプログラム言語が指定されており、その仕事に就くために何を勉強すれば良いのか分かり易い。IT以外でも、その業界特有の資格と検定がある。例えば金融業界でITの職に就きたければ証券外務員や日商簿記を取るのも有益だし、外資系企業で働きたければTOEICを受けるなど、自身のキャリアを形成する上で次に何をすれば良いのか、資格と検定が目処になる。RPGに例えると、ある怪物を倒すために強力な魔法を習得しようとか、次の街に移るために経験値を稼いで体力を上げておこうとか、そんな感じになるのかな。

育成戦略を練らずに闇雲に検定と資格を取ったり新しい技術を勉強したりしても、次のキャリアにつながり難いのはゲームと同じだ。特殊な状況下では効果のあるスキルも、違う状況ではただの飾りにしかならいことも多い。また、職種ごとに育成戦略を考えていく必要がある。レベル50の戦士がいきなり魔法使いになろうとしても、それまでの経験と習得した技術を魔法使いのレベルに移行はできない。魔法使いとしてはレベル1から始めることになる。魔法を少し使える戦士になりたいとか、自分で身を守れる魔法使いになりたいとか、付加価値程度であれば同時に追うことはできる。しかし、強力な武器を使うために戦士のレベルと、強力な魔法を使うために魔法使いのレベルを併行して上げることは、現実にはとても難しい。まれに同時に追える人もいるけど、たいていは時々屁のような魔法を吹き出しながら、ただ棍棒をぶん回すだけの、中途半端なキャラクターができる上がるだけだ。自身で冒険を進められる勇者であったり、小さいベンチャーであれば器用貧乏の勘違い忍者でも何とかなるだろう。しかし、創立50周年を迎えるような大きなパーティの一員として働くためには、計算できるキャラクターになる必要がある。私は戦士です魔法使いですプログラマーですと、職業人として言い切れるキャラクターを確立したい。何ができるの分からないし、組織の中でどのような役割を担えるのかが判断しづらいキャラクターは、仲間に誘われにくい。

次は履歴書に何の経歴を書こうかと考えながら仕事を探すことは、育成戦略としても有効だろう。できる限り今までの職歴と保有する資格や検定に経験を上乗せできるような仕事に就くのが妥当だ。人生一回きりなのでせこせこと育成戦略など考えずに自身で冒険の旅にも出てみたいが、どうやら今回は機を逸してしまったようだ。この先しばらくは派遣社員かアルバイトをしながら冒険の準備に時間を費やすことになる。冒険の準備をしながら夢を見続け、それで終わってしまう一生もあるとは思うけど。何人もの勇者を見送りながら、街の片隅で同じ台詞を言い続ける街のモブキャラの気持ちが何となく分かる。

TOEIC S&Wテストを受けることにした。

三月中旬にTOEIC S&Wテストを受ける。これまでに二回受けたことがあるが、勉強方法が分からず結果は散々だった。今回は勉強に費やす時間がたっぷりとあるので、英会話の勉強方法と合わせて、このテストの勉強方法を確立させたい。

このテストの肝は事前に模範解答となる例文を用意することだ。話して書くテストなので、解答は選択肢から選ぶのではなく自分で作る。帰国子女でもない限り、試験対策なしでは咄嗟に解答を作ることは難しいだろう。私のように日本で英語の勉強をしている人間は、予め覚えた例文を元に適切な解答を組み立てることになる。出されるお題は多岐に渡るので、お題を想定してそのまま解答となる例文を多く用意するよりも、応用を利かせやすい構文を盛り込んだ、汎用性の高い例文を用意する戦略が良いと思う。その方が英語を実践する現場でも役に立つ。

また、テスト勉強を兼ねて面接の英会話も練習する。テストのお題には臨場感がないし、私が想定する英語を使う状況からも外れていることが多いためだ。勉強意欲を維持させるには、勉強したことが役に立つという確信が欲しい。そのため、面接で話すネタを想定し、そのネタに即して例文を作成することにする。想像したスカスカの状況よりも、その方が例文を作りやすい。さらに自分自身を商品に見立て、営業で使う英語も練習する。かなり欲張りだが、面接は自分という商品を売り込む場であるし、併行して練習しても損はない。派遣の営業になった気分で、自分を競りにかける状況を想定してみる。問題は私の職歴だと、水素水の押し売りに近いぐらい胡散臭い商品を取り扱う営業マンになってしまうことだ。限りなくグレーというか、話を盛るに盛って嘘は言わないけど、あくまでもそちらさんが勝手に想像したことですよー、という感じでの営業になる。

 例文の作成はTOEIC S&Wテストの参考書を元に進めていく。面接と旅行のための英会話集も参考にするが、試験対策から外れることまで手は出さない。勉強した過程は次の試験に役立つかもしれないが、試験はその結果がすべての非情な世界なのだ。試験では努力自体が認められることはない。