ノマド探求

二次元移住準備記

次の職場が決まった。

来月末で今の職場を辞めようと思い、次の仕事探しの準備を始めた途端に次の仕事が決まった。職場は変わらず、今いる監視チームから運用チームに移ることになったのだ。運用の仕事がしたいと言い続けて一年と半年、やっと努力が報われた。

今の職場で働き始める前から、いずれは運用の仕事がしたいと派遣元の営業には伝えていた。そして派遣先との面談時に派遣先の担当者からは、成果を出せば監視から運用に回るパスは用意できると教えられた。ただ絶対とは言えないし、いつ頃異動できるかは本人次第だとも言われた。要は君の仕事っぷりによると。だから、規定の業務外でも雑務を率先して引き受けたり、他社の使えない奴の面倒を見たりと、この給料じゃ割り合わないなと思いつつ色々と頑張っていた。年に数回ある派遣元の営業との面談でも、執拗に運用の仕事がしたいと言い続けてきた。しかし、一向に声がかかることなく、何ができれば運用チームに移れるのかという具体的な条件すら提示されず、監視の仕事に飽きたこともあり、今の職場からは気持ちが離れてしまっていた。そして、辞めようと思った矢先に異動が決まった。

職場を辞めるという最後のカードを切ったので、仕方なく移したのかもしれない。一年半も餌を目の前にぶら下げられて走らされた者の気持ちとしては、釈然としないものは残る。辞めると言わなかったら、このままずっと監視の仕事をしていたかもしれない。だから、運用チームへの異動を提案された時は、二つ返事で快諾ができなかった。しかし、これもチャンスだと考え直し、提案に乗ることに決めた。三十代後半からまともに働き始め、六年が経つ。やっとSEと名乗れる仕事に就ける。IT業界あるあるのド底辺オペレーターからSEになる道のりは、険しくも楽しかった。