ノマド探求

二次元移住準備記

成人式の思い出。

成人式には出られなかった。二年目の浪人生活を送っていたため,進学している同級生と会うことで,行く末の分からない自分の人生を直視させられるのが辛かったのだ。何も悪いことはしていないし,浪人していることは恥ずかしいことではないのだから,出れば良かった。しかし,社会の隙間にスポっとはまり込み,身動きが取れなくなっている自分が格好悪くて仕方がなかった。また,社会から阻害されているような被害者意識もあった。

定まった生活を送っていないことで精神的に辛いことは,今でも度々ある。特に二十代の頃は,散々な目に遭うことが多かった。世間体に敏感なお年頃だが,自意識を圧し殺す術を持たないまま迂闊に社会と交わったことで,しばらく立ち直れないほどの屈辱を味わったことは一度や二度ではない。冠婚葬祭などで親戚と会った時に体裁が悪いとか,久しぶりに級友と再会した時に社会的格差を痛感させられるとか,社会から距離を置けば避けられることもある。実際に,二十代の後半までは身を潜めるように生活していた。

社会との距離を縮める転機となったのは,二十代後半から働き始めたアルバイト先に同じような生き方をしている人がたくさんいたことを知ったからだ。そこに加わることで居心地の良い社会があることも知った。もし,あの時の同僚と会っていなければ,今でも社会から遠く離れて生きていたかもしれない。そして,二十歳の頃にあのようなアルバイト先で働いていれば,成人式に出ていたかもしれない。人との出会いを含めて,どこでどう生きていくかというのは,幸せのあり方としてもの凄く重要なことだと思う。

ちなみに三浪までしたけど,大学には行くことはできなかった。