ノマド探求

海外移住準備記

IT警備員の仕事。

システム監視の仕事はヘルプデスクと並び、何にもITの知識と技術を持たない人が就き易い職種だ。新卒で大きなIT企業に入れば監視をすっとばして構築や運用に行けるのだろうけど、フリーターやプー太郎などの底辺で蠢く人間が働き始めるには、圧倒的に監視の仕事が多い。派遣サイトで求人情報を調べると、それが良く分かる。たまに体裁を取り繕ってSE募集と記載する求人もあるが、騙されてはいけない。監視の仕事はただのオペレーターであって、エンジニアではないのだ。

システム監視がどういう仕事か一言で説明すると、IT警備員という言葉がぴったりくる。主に椅子に座って目の前のモニターを見ていることが仕事になる。警報が上がると然るべき連絡先にメールか電話で連絡入れて、それで終わりだ。最近は技術の進展にともない自動化が進んでいるので、時間的な余裕がある現場では警報が上がって即連絡とはならずに、何かしらの確認や復旧の作業が伴うこともある。それでも、ITの知識と技術はあまり必要とせず、粛々と用意された手順に従えばできる作業だ。また決められた時刻に作業をおこなう現場もある。これもシステムや機器の状態を確認するなど、簡単な作業に変わりない。

監視の仕事では、ネットワークやサーバーなどのインフラの知識だったり、VBAやShellScriptなどが書けるプログラミングの能力だったり、ITの知識と技術はそれなりに役に立つ。しかし一番大切なのは、挨拶や報連相などの社会人としての基本的な素養だ。神経質な現場なら、常に周りの空気に気を払い、誰が敵で誰が味方か、ヌシはどいつかを見極める能力も必要になる。気が良さそうに見えても実は物体Xばりの奴だったり、反対に最初はとっつきにくいが根は良い奴という映画だと最後に主人公をかばって死んでしまうような奴もいる。日頃から彼らの所作や言動に注意し、誰が人間で誰が物体Xなのか慎重に見極めないと、うっかり地雷を踏むことになる。

また、その現場特有のルールがある。そのルールが分からないと、いくらITの知識や技術があっても何をやっていいのか分からないだろう。暗黙のルールを教えてくれるのは同僚なので、彼らに敬遠されれば何もやることがなく孤立する。そして、なぜか何もしない奴という評価になってしまう。宇宙人とのファーストコンタクトと同じで、同僚に与える第一印象はとても重要だ。ファーストコンタクトにさえ成功すれば、その後の仕事はかなり楽になる。まだ、二つの現場しか経験していないけど、このファーストコンタクトに失敗し、短期間で辞めた人間を何人も見てきた。