ノマド探求

二次元移住準備記

夏にはニート。

派遣元に今の派遣の契約を更新しないと伝えた。それから派遣先とも話し合い、夏前に職場を去ることが決まった。契約を更新しない大きな理由は、仕事内容に飽きたからだ。しかし、そのまま伝えはせずに、もっと前向きで大人な理由に聞こえるように伝えた。今の実務経験を活かせる、技術寄りの仕事に移りたいのは、裏を返せば本心でもある。嘘はついていない。単なる雑用係では充実感に乏しく、就業時間は苦痛の一言だ。残業も多い職場なので、かなり辟易している。社員がやりたくない、心底つまらない業務を任されるのは派遣社員の宿命で、派遣社員で働き続ける限り避けられない。ニート期間中に、今後の身の振り方を真剣に考えようと思う。だから、派遣先にはすぐに次の職場を探すつもりはなく、勉強をするために時間が欲しいとお願いした。

三十代後半から派遣で働き始め、十年が経つ。色々と嫌な思いはしたけど、良い思いの方が圧倒的に多い。一部の例外はあったが、どの職場でも人間関係は良好だった。今の職場を除き、派遣で働いたどの職場でも、今でも年に数回は飲みに行く友人が一人、二人いる。フリーターだった頃に比べれば、月の手取りも大幅に増えた。中年と呼ばれ始める歳になってからでも、思い切って未経験のIT業界で働き始めたのは、正解だった。短期バイトで食いつないでいた頃で、ひとまず一年ぐらいは同じ職場で働きながら、今後の身の振り方を考える時間を作ろう、ぐらいの気持ちだった。いつも辞めることや逃げることを考えているが、自分の感情を殺してゾンビとなり、その場に居続けるよりはましだったろうと、肯定的に捉えている。

新しい一年が始まり、冬休みが終わった。

とうとう冬休みが終わってしまった。去年は年末ギリギリまで働き、それから掃除をしして年越しの準備をすると、気が付けば大晦日になっていた。派遣の職場では色々と仕事が残っていたが、どれも一段落つけたので、一月の第一週を休みにして案外長めの冬休みを取った。別段、例年と変わらない正月だが、長い休みは嬉しい。今年は飲み会の予定は余裕を持たせ、のんびりお正月を過ごした。これからどうやって生きていくか、一人で考える時間が欲しかった。派遣で働く今の職場を今年の早い時期に去るつもりだ。その後に待つニート期間を無駄に過ごさないため、あらかじめ何をするか決めておきたい。次の仕事探しの準備も進めたかったし。

冬休みの間に、今の職場の実務経験を追記して、職務経歴書を更新してみた。来週、派遣先の面談で添削をしてもらい、さらに洗練させて職場を去る前までには最終版を完成させたい。職務経歴書に彩りを与え、お金の管理をした証として日商簿記三級を取るために、飲み会以外は試験勉強をするつもりだった。しかし、家だとついついYoutubeとTwitchを観てしまい、勉強に身が入らなかった。スタバに行って参考書を広げてみたものの、スマホをいじっただけで、正月は勉強が進まなかった。正月も終わったし、そろそろ気合いを入れて、ニートになる準備をしたい。

もうすぐ一年が終わる。

気が付けば、もうすぐ一年が終わろうとしている。何事も進展がない一年だった。派遣の仕事は不慣れな事務作業に追われて連日連夜、遅くまで働いた結果、精神的にも肉体的にも疲弊した。四年前、あれほど宿望していた運用の現場に移り、仕事の内容も充実し、同じ職場に気の置けない飲み友達もできた。しかし二年前、気の迷いで職場を移り、今も面白味のない仕事を続けている。生存戦略として重要視していたIT業界での市場価値は、この二年間で監視オペレーターレベルに下がってしまった。来年、仕事を辞めてニートをしている間は、勉強はせずに遊び呆けるつもりだ。だから、次に派遣で働く時は、また監視の仕事からになるだろう。

引っ越し計画は夏休み明けに頓挫したので、半世紀が経とうとする萎びたマンションで、また二年間を過ごす。頓挫した時期は、ちょうど派遣の仕事を辞めようと思い始めた頃と重なる。ニート期間中は出費を極力抑える必要があるので、生活保護者でも手が届く家賃が妥当かなと頭の片隅にはあった。部屋は狭いが天井が高いので、それほど圧迫感がない。管理人を兼ねる大家が丁寧に手を入れているので、古い以外は不満はない。完全テレワークが始まってから、部屋で快適に一日中過ごすための家電や家具は揃えた。ニートになっても今の生活の延長線上で楽しめると思う。

今年は、三年前に始めた登山が予想以上に人間関係の幅を広げてくれた。軽い登山を趣味にしている人が、周りに案外多かったのだ。オンラインゲームは日常生活に支障を来し始めたので、現在は強制休止中だ。時間の管理さえできれば良い趣味なので、ニートになった時に頃合いを探って再開しようと思っている。英語学習は残念ながら相変わらず趣味になりそうにない。充実感は得られるが、勉強している時間は苦痛だ。オンライン英会話と学習サイト、YoutubePodcastなど、色々と勉強方法を探っているが、まだ夢中になれる方法には巡り会えていない。