ノマド探求

二次元移住準備記

負け戦。

負けると分かっていても、戦わなくてはいけない時がある。昔、銀河鉄道999の映画でキャプテンハーロックが言っていた。ある意味、負け戦に挑むのは男の浪漫だ。言い換えれば、戦術面では負けても戦略面では戦う価値が十分にある戦いがある。例えば、その状況から逃げれば仲間の信頼を失ってしまう時や、威厳を保つために悲惨な顛末を甘受しなくてはいけない時だ。アルバイトや派遣の仕事で色々な職場を経験して来た。負け戦を戦って評価を上げた人もいれば、そこから逃げて総スカンを喰らった人もいた。

小利口になって目先の勝敗に気を取られると、大局を見誤り、戦いに躊躇してしまう。その気持ちが分からなくはない。誰だって負け戦は嫌だ。それに二日酔いと同じで、一度痛い目に遭うと、もう二度とそんな目には遭いたくはないと思う。それでも敢えて、それに挑むだけの価値を持つ状況に、人生で数回は出会うだろう。上に立つ立場になればなるほど、それだけそういう状況は多くなる。

間抜けな上司は嫌だが、敵前逃亡する上司はもっと嫌だ。信頼を集める人は、いつでもそこにいる人だ。軍事プレゼンスと同じで、そこにいるだけで意味がある。優秀であればそれに越したことはないが、それは特に重要ではない。何があっても、そこにその人がいるだけで、下の人間は安心する。上司が放棄した戦いを戦い続ける希有な人間はいない。逆に考えれば、下剋上はそんな戦いが放棄された状況下で起こるのかもしれない。誰かが捨てた戦いを拾い、戦い抜けば、その誰かの後釜に納まれる。