ノマド探求

二次元移住準備記

ネットワークスペシャリスト試験に落ちた。

落ちると思っていた。試験の一ヶ月前になっても試験勉強はままならず、試験日までに午後試験の参考書を一冊、通読するのがやっとだった。それでも試験日の日曜日は早起きして試験会場に行き、計五時間の試験を受けたのだから、淡い希望を少しは抱く。受かったからと言って何も変わらない。しかし、受かって嬉しくないはずはない。だから、結果が発表されたWebページに自分の受験番号がなかった時は、悲しかった。悲しくはあったが、検定を受ける実用性の高さを改めて実感した。

ここで言う実用性は、そのまま仕事の役に立つという意味ではない。間接的には仕事の役に立ってくれないと駄目だが、現実逃避を図るために検定や試験の勉強は有効なのだ。試験勉強をしている時は、嫌な現実に目をつむり夢を見られる。そして、この試験に受かった暁には、今のくすんだ生活が一変するような僥倖が訪れるであろうと、そういう期待を抱かせてくれるのだ。皆が遊んでいる時に生産的な活動をしている充実感も得られる。それと何かをやらなければいけないのにやらずにいる罪悪感と焦燥感を払拭できる。

試験勉強は、趣味としてはかなり良い趣味だ。試験勉強は学校に通わなければたいして金はかからない。参考書代と試験代、せいぜい喫茶店代ぐらいだろう。受験料金はピンキリだが、風俗で一回遊んだと思えば、特に惜しくはない。時間も良い具合に潰せる。あとは勉強をどう楽しむかだが、試験勉強を始めた頃は億劫に感じるが、習慣化すると楽になる。しばらくすると意外に楽しくなってくるから不思議だ。確かに試験勉強だけだと気が向かない時もある、そのときは、ちょっとした工夫でレジャーに変えてみるのだ。

晴れた休日に、散歩しながら喫茶店に行き、二時間ぐらい勉強したら、次の喫茶店に散歩して移動し、さらに二時間ぐらい勉強する。その後は、ご飯を食べて、飲み屋かバーで一杯引っかけてから家に帰る。これだけで、日曜日の昼前から夜早い時間まで、充実した時間を過ごせる。集中力が散漫にならないように気を付けて、好きな音楽を聞きながら勉強をすれば、自分の世界に没頭できる。勉強に飽きたら、本を読むかスマホをいじるかしてもいい。合間合間で息抜きか気分転換をして、試験勉強が捗るのであれば、多少の無駄はあっても良いと思う。