ノマド探求

二次元移住準備記

英語が聞き取れない。

もう二十年近く英語の勉強をしているが、未だに英語をよく聞き取れない。TOEICを最後に受けた三、四年前でさえ、800前半のスコアを数年間は維持できていたので、そこそこリスニングとリーディングには自負があった。ポットキャストなどで流れるネイティブレベルの英語は内容を理解できず、底上げも必要だと感じていた。それでも英語を多く使う環境に身を置けば、海外留学に行った人が英語がペラペラになって返ってくるように、自然と聞き取れるようになると思っていた。

今の職場になってから、英語で仕事をする機会が多くなり、たまに英語の会議もあったりする。アメリカ人やイギリス人などの英語を母国語とする人もたまに参加するが、たいていは英語を母国語としないアジア人が、英語であれこれと状況を報告し、話し合う。マイルドな会議は、討論という討論はまれで終始アジアの時間が流れる。そこで耳にする英語は、TOEICには決して出てこない泥臭いモノだ。そんな会議に参加し始めてもう一年も経つが、それぞれの母国語を引きずる土着の英語をまだ理解できずにいる。

オンライン英会話を始めてから、五年ぐらい経った。数ヶ月レッスンを受けたら、一、二ヶ月休むペースで続け、レッスン回数は25分×600回を超えた。英会話へのアレルギーは克服できつつある。しかし、このままレッスンを続けていても、会議で英語を聞き取れるようにはならないだろう。英語を使って仕事をする、根本的なリスニングの能力が足りていない。会議の聞き取りに特化した勉強が必要だ。ポッドキャストを聞き流すようなカジュアルな勉強ではなく、TOEICのパート毎に特化した試験勉強のような、退屈で苦痛な鍛錬が。

四月にネットワークスペシャリストの試験を受けるため、今月でオンライン英会話は一旦休止。四月以降、レッスンを再開する前に、リスニングを強化したい。久しぶりに参考書を買って、勉強を始めようと思う。難しい英単語や長文を理解する能力はいらない。瞬発力重視で乱暴な英語を捌くための、より実戦向きの英語脳に変える。考えてみれば、やっと英語道の道場から抜け出し、英語がただの武器に過ぎない、実戦の場に出られたということか。だとしたら、最初はぎこちなくても仕方がない。