ノマド探求

二次元移住準備記

チームプレイを磨く。

平日の仕事をしていない時間は、ほぼゲームをしている。休日に至っては、飲みに行かない限り、一日中ゲームをしている。もはや資格や検定の勉強をする意欲は、微塵も残っていない。英語の電話会議がたまにあるため、不安になってオンライン英会話を半年振りに再開した。レッスンと予習を合わせて一時間にも満たない英語学習を免罪符に、ゲーム漬けの日々を過ごしている。これが、良いのか悪いのか分からない。暇な時間を持て余す悩みはなくなった。金はかからないし、人間関係も広がったしで、度を超さなければ良い趣味だと思っている。万が一、度を超したとしても、ギャンブルや風俗と違って、人生が破綻する危険は少ない。

ゲームはAPEXしかやっていない。APEXは三人で一つのチームを作り、計二十チームで殺し合うオンラインゲームだ。この三人一組で協力して相手と戦うため、ゲームの上手い下手だけではない、ちょっとしたコミュニケーション能力も必要になる。同じチームの人と協働できなければ、三人相手に一人で戦えるだけの能力がないと、すぐに殺されてしまう。時々、一人で敵陣に突っ込み、憤死する人がいるが、何にも考えていない人もいれば、腕に自信ありの人もいると思うので、やはり三人で戦う方が強い。同僚以外とAPEXをする時以外は、全く面識のない人とチームを組んで遊んでいる。一人ぼっちでゲームを遊ぶ人は野良と呼ばれ、強制的にぼっち同士でチームを組まされる救済措置があるのだ。修学旅行や遠足で、友達がいないあぶれた者同士で即席に作るグループのような感じだ。当然、色々な人がいて、仲良しグループと比べると動きはぎこちない。野良で参加をすると、チームメイトはマッチ毎に変わる。たまに、この人は自分の戦い方と合うなと思った時に誘ってみると、遠足の時だけ仲良くなる同級生のように、その日は一緒に遊んだりもする。

ゲームにボイスチャットと言う音声通話の機能が用意されているが、大抵野良で遊ぶ時は、シグナルを使ってコミュニケーションを図る。敵がそこにいるとか、あっち行こうとか、目標にピンを立てて教えるシグナルがいくつか用意されている。慣れてくると、ピンを立てなくても、同じチームの人の意図が以心伝心、分かるから面白い。敵と遭遇した時、二人はこっちに行ったから、私はあっちに行って散開しようとか、お互い共通の意図を持って、きっちりと協働できるようになるのだ。相手に合わせることを常に意識すれば、相手も合わせてくれる。この辺のコミュニケーションが面識のない三人の間ですっぽりと嵌まった時、良い感じにやみつきになってしまう。