ノマド探求

二次元移住準備記

アーリーリタイヤ。

働かずに生活するためには、どれだけの貯金が必要か考えてみた。人としての尊厳を保ちつつ、かつプー太郎生活を存分に享楽したい。そのためには、食事と娯楽を切り詰めても一ヶ月に十五万円はかかる試算だ。一年だと二百万円弱、十年だと千八百万円になり、貯金だけで賄おうとすると口から泡を吹きそうな金額になる。フリーターだった頃に比べると、稼ぎはだいぶマシになった。それでもがっつりと貯金に回せるだけの収入はない。二、三ヶ月、東南アジアにプチ移住して鬱憤を晴らすぐらいが、身の丈に合った現実逃避案だ。

そもそも終活を頭に入れて将来設計をしなければいけない歳になっても、アルバイトや派遣で働いていること自体、すでにアーリーリタイヤなのかもしれない。アーリーリタイヤ層にも色々な勢力があり、年金が支給されるまで貯金で食いつなぐライトな層もいれば、家に引き籠もり徹底抗戦を決め込むガチリタイヤな層もいる。私の場合は、単に働きたくないだけだので、ライトな層だと考えている。畢竟、最低限の文化的な生活を送れないのであれば、労働もやむを得ないと考えている。

友人と飲みに行くのは好きだし、お金のかからない一人遊びも得意だ。最近嵌まっているゲームにかけるお金はたかがしれている。数年毎にゲーミングPCを買い換える際に、まとまったお金が必要になるぐらいだ。映画が観たければ、NetflixにせよPrime Videoにせよ、月額数千円を払えば、無制限に暇を潰せる。山登りは、都会に住んでいると交通費がネックになるが、山の麓に引っ越してしまえば問題ない。しかし、飲み代はどれだけ節約しても、無収入では厳しい。この人間関係の維持費は、出し惜しみすると一気に友達が少なくなる。この維持費をどのくらい見積もるかで、一ヶ月必要な生活費も変わってくる。

無職のまま貯金や親を頼りに生き抜いている人や、どうやってお金を稼いでいるのか分からない怪しい人が、私の周りには多い。彼らは、労働に生き甲斐を見出せないと言うよりは、単に自分の意にそぐわない働き方が嫌なだけで、できる限りお金を使わない生活を心掛けている。自分からは飲みに誘わないし、誘われても何だかんだであまり飲みに行かない。だから友人もほとんどいないどころか、むしろ必要としていない、ガチなアーリーリタイヤ層に分類される。