ノマド探求

二次元移住準備記

楽しく時間が過ぎるのを待つ技術。

リモーワークに始まり、非常事態宣言が延長された中での連休で、独りで過ごす時間に耐性がない事実に気付いた。一人で旅行した時に暇を持て余す機会は多々あるけど、それとは質が異なる。無職の時に一人で過ごす時間とも、ちょっと違う。端的に言えば、強制されて独りになるか、ならないかの違いだろう。

私は歳の割には頻尿で、さらには不意の便意に襲われる時がある。鋭い杭で体の内側から肛門をねじ開けられるような、強烈な便意だ。スターウォーズ・エピソード1の序盤で、クワイ=ガン・ジンという浮浪者みたいなおっさんが、鉄の扉をグイグイとライトセーバーで穴を開けるシーンがある。あんな感じで、肛門に神だか悪魔だかの悪意が突き刺さってくるのだ。だから家の外に出たら、ボーイスカウトに入っていた頃に習った備えよ常にの教えを実践し、常にトイレの存在と場所を確認している。トイレにいつでも行ける環境であれば、軽い尿意ぐらいなら我慢できる。むしろサディスティックなまでに、その尿意を楽しむ時すらある。しかし、トイレがない環境だと、尿意や便意を感じなくても、自分の可能性をごっそりと剥ぎ取られた、得体の知れない閉塞感に襲われる。この連休中に感じる暇を持て余す感覚も、それに近い。

非常事態宣言中に自宅で過ごす時間には、潰すという表現は適切ではない気がする。私の場合は、時間を過ぎるのを待つという表現がぴったりとくる。検定の勉強などをして生産的に時間を使いたくはないが、楽しく時間が過ぎるのを待つ方法が分からず、結果として暇を持て余してしまう。楽しく時間が過ぎるのを待つ技術がないのだ。観たい映画も読みたい本もないわけではないが、今はその気が起きない。ネットサーフィンをしたり、Youtubeで動画を渉猟したりするが、二、三時間が限度だ。楽しく時間が過ぎるのを待つ方法は、趣味とは違う。趣味は、そのために苦労してでも時間を作るが、楽しく時間が過ぎるのを待つために敢えて時間は作らない。これを良い契機として、楽しく時間が過ぎるのを待つ技術を身に着けようと思う。