ノマド探求

二次元移住準備記

移動時間を有効活用するには。

三年ぐらい前に、山登りを始めた。職場に登山が趣味の同僚がいて、お願いして両神山に連れて行ってもらったのが、きっかけだ。コロナ禍で海外旅行や外食が制限されていた頃で、生活に潤いを与えてくれる新しい趣味を探していた。それからは春から秋にかけて月に一、二回の頻度で初心者向けの山を楽しんでいる。その時の同僚と一緒に登る時もあれば、一人で登る時もある。山登りの目的の半分は、山登りをした後の温泉とビールだ。ちらかと言えば日帰り旅行に近い。

山登りは、時に迷いかけたり落ちそうになったりで、ほど良い緊張感と刺激があり、倦んだ生活の気分転換になる。マイルドな登山でも1500カロリーは消費するので、テレワークで弛んだ体を動かす良い機会だ。温泉で体も温められるし、実に健康的な趣味だ。問題は、目的の山に行くまで短くて片道二時間、長いと四時間ほど移動に時間を取られる。この移動だけの時間が、平日は資本主義の奴隷となって朝から夜遅くまで働かされる身には、ただただ惜しい。

移動時間を有効活用するため、検定の勉強でもしようかと考えている。紙の参考書は嵩張るし何より重く、誤って水分を吸った時は最悪だ。山に携行する時の大きさと重さは私の体力では文庫本一冊が限度で、Amazon Kindleを買って電子書籍を活用するのが良さそうだ。音楽を聴きながら物思いに耽るのも、良い時間の過ごし方だ。Walkmanとイヤホンは山登りには全く役に立たないが、嵩張らないので問題ない。欲を言えば交通機関で移動中は、サンダルに履き替えて快適に過ごしたい。

今使っている25Lのバックパックだと容量が足りないので、35Lのバックパックを買おうと考えている。35Lもあれば、KindleWalkman、サンダルだけでなく、非常時に野営で使うツエルトと山頂で淹れたてのコーヒーを飲むためのクッカーも持って行ける。登山靴、雨具、バックパックなどの初期装備を揃えるだけで、五万ぐらいかかった。次から次へと欲しい物は、際限なく出てくる。自転車やスキューバダイビングなどの、お金のかかる趣味に比べれば地味で可愛いものだが。